
農業とドローンというと、農薬散布や生育の管理といった話が中心になりがちです。しかし撮影という使い方にも、実務的な価値があります。
この記事では、農家や農産物直売所が空撮と映像でできることを整理します。岩手県内・三陸沿岸の事業者を想定しています。
理由は単純で、農業が扱っているものが「土地」だからです。
圃場の広がり、周囲の環境、山や海との位置関係。これらは地上からでは伝わりません。上空からの1枚で、規模も環境も一度に伝わります。
とくに中山間地や海沿いの農地は、地形そのものが特徴になります。平地の大規模農場とは違う価値の伝え方ができます。
農産物を卸したい、直接取引を増やしたい。そのときどこでどう作られているかを見せられることは強い材料になります。
商談で書類を並べるより、圃場の映像を1本見せるほうが早く伝わります。取引先が産地を確認したがる場面は増えています。
「どこにあるか分からない」は直売所の共通課題です。周辺の道路との位置関係を上空から見せると、初めての人にも場所が伝わります。
季節ごとの風景とあわせると、訪れる動機そのものにもなります。
返礼品や通販の商品ページは、写真の良し悪しで結果が変わります。商品の写真に加えて、作られている場所の映像があると、選ばれる理由が増えます。
作付けの状況、生育の推移、災害後の状況。同じ角度から定期的に撮っておくと、比較できる記録になります。
補助事業や共済の申請で、状況を示す資料が必要になる場面でも使えます。
新規就農を考えている人が知りたいのは、どんな場所でどんな作業をするかです。言葉で説明しにくい部分を映像が埋めます。
体験型の受け入れをしている場合、施設の全体像と周辺環境が分かる映像は、申し込みの判断材料になります。
農業の空撮は、いつ撮るかで意味がまったく変わります。
| 時期 | 撮れるもの |
|---|---|
| 作付け前 | 土地の形と広さ |
| 生育期 | 一面の緑。規模感が最も出る |
| 収穫期 | 作業の様子。人が入ると生き生きする |
| 収穫後 | 土地の管理状況 |
| 雪の時期 | 地域の環境が伝わる |
販路開拓に使うなら、生育期から収穫期が最も見栄えします。ただし、その時期は農家にとって最も忙しい時期でもあります。
撮影日を決めるときは、作業の妨げにならない時間帯を先に相談してください。
雨・強風・濃霧では飛行できません。日程には余裕を持たせてください。 弊社では予備日の設定に追加費用はいただいていません。
朝夕の低い光は、畝や地形の陰影が出て立体感が生まれます。日中の順光は、作物の色が正確に出ます。用途によって適した時間帯が変わります。
農地であればほとんどの場合撮影できますが、次の点は事前に確認が必要です。
農村部では住宅が点在していることが多く、プライバシーへの配慮が必要になります。飛行経路と画角を工夫して対応します。
ご希望の場所で撮影できるかは事前に確認したうえで進めます。この確認自体に費用はいただきません。
ひとつ補足します。空撮は入口として強いのですが、それだけでは購入や取引にはつながりません。
上空の映像で興味を持った人が次に知りたいのは、何を作っているのか、どう作っているのか、どこで買えるのかです。
そのため、地上での撮影とセットで組むほうが結果が出ます。作物の寄り、作業の手元、人の表情。同じ日に両方撮っておくと、日程も費用も抑えられます。
依頼前に、次が決まっていると話が早く進みます。
すべて決まっていなくても構いません。「うちの畑でも撮れますか」という段階からご相談ください。
弊社は大船渡市を拠点に、陸前高田市・釜石市・住田町・一関市・気仙沼市など三陸沿岸を中心にお伺いしています。
撮影機材もドローンも自社で保有しているため、天候や農作業の都合による日程変更にも対応しやすい体制です。
→ 宿泊施設・観光事業者がドローン空撮を使うときの考え方(三陸)
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